2010年4月6日火曜日

「紅の花」説明(2):傘

 今回は傘の構造や動きについてです。


(1)構造
 傘自体は全てAE上の平面です。基本的に下の図の通り。
 AEで立方体のようなオブジェクトやステージを組んだことある人なら普通に組めるかと思います。
   
 かなり大きく写る使用法だったため、回転させた時やカメラ角が変わった際にも見た目が破綻しないことに重点を置いています。


(2)閉じ開き
 開き具合を角度入力すると、各面、及び内支え軸が連動して動くようにエクスプレッションで制御しています。
   
 閉じる際には、正確には各面が「Vの字」型に折れるのが正しいのですが、これをやると平面数が2倍に増えてしまいます。

 しかし、このまま閉じると各面同士が干渉してしまう(隣の三角形を突き破る)ので、折衷案として、各面に「ひねり」を加えることができるようになっています。
   
 陰影を気にしないなら、三角形の横幅のサイズを変えてしまうという手も悪くないかもしれません。


(3)回転と追従
 所謂「てこ」の支えとなる部分にアンカーを置くのがコツです。
 回転や開いたまま踊っているシーンでは柄の春香さんの肩口付近、閉じて下ろすシーンでは柄の持ち手付近にそれぞれアンカーを置いています。
   
 あとはアンカー位置を春香さんの肩や手の動きに追従するようにキーフレームを打てば、角度を色々変更してもほぼ破綻無く表示されます。


(4)持ち手の処理
 持ち手部分は「傘の角度を変更して春香さんの手に追従させている」場合と、「春香さんの手が傘の動きに追従している」場合があります。
 後者は手だけ別合成で、実際には「傘の柄に手が張り付いている」状態になっています。
   
 前者は、春香さんが能動的に手を動かす場合。
 例えば手を伸ばしたり、腕を折り曲げたり、といった場合です。

 後者は、傘自体が動くことで、添えている手が傘に引っ張られる場合。3Dグラフィックで云うIK(Inverse Kinematics)みたいなものを意識した場合です。
 例えばステップを踏むことで肩(てこの支え)が上下移動し、結果として傘の角度が変化し、添えている手もそれに合わせて動く、といった表現になります。
   
 傘の場合空気抵抗が大きく、また慣性の働きもあるので、後者の場合はその辺りを考えて「春香さんの動きからやや遅れて傘が動く」のを意識するといいかも知れません。

 所詮真似事ですが、意識しておけばそれっぽさが増す……かも?

 ……つーか、そこまで考えるならもう3Dソフト使えよ、って話ですよね、分かります。


 次回はモーション改変・合成辺りのお話を。
 

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