正直、「和服万歳!」な俺の魂の親友な方くらいはイントロで掴めるかなー、程度に思っていたので、驚かれ具合に逆にちょっと戸惑っていますw
そしてそこまで伸びるとは思ってなかったので、調整不足なところが残ってるのがうわああああ気になる……もう仕方ないけどさ……。
ともあれ、見てくださった方、ありがとうございます。
◇
では予告通りまずは和服合成について。
実際の作業を順を追って画像付きで記述します。長めですよ。
(1) まずハカマグラデュエーションの袴部分を抜きます。

キーイングが得意な方はカラーキーなどを使うのが早いでしょうが、今回はAEのパスマスクを使用し大雑把にごっそり切っています。
上衣部分も切れてますが、ここは後で重ねなおす(後述)ので今は気にしません。
(2) 帯より下の部分の画像を用意します。

これが今回実際に使った画像。
シェイプレイヤで四角を描いて、花柄を載せただけの単純なものです。
説明用画像作った後で気付いたけど、これは画面に向かって左向きに立っている時用。
向きによって帯止めや花柄の位置を変更したものを3種類ほど用意しています。
(3) (2)の画像を(1)に載せ、着物っぽく見えるように整形します。

変形には主に「ベジェワープ」を、ちょっと複雑な変形が必要な場面では「メッシュワープ」を使っています。
AE分からない人向けに簡単に云うと、「ベジェワープ」は画像の四隅の位置と接線を指定して画像を歪めるエフェクトです(「メッシュワープ」は四隅だけでなくもう少し細かく指定できる同様のエフェクトだと思ってください)。
「パペット」等も変形にはよく使われますが、パペットによる変形は「うねり」が出やすいので、今回のような用途にはちょっと使い辛いかも。
歪め方を変えて帯止めや花柄の位置を調整することで、身体の向きが変わる場合にもある程度追従できます。
無理が出る場合は、(2)に書いたように身体の向き別に2~3パターン作っておいて使い分けるといいでしょう。
(4) 袖や手が(3)で重ねた画像の下に隠れてしまうので、この部分を重ねなおします。

元のハカマ画像から肌色・ピンク系をカラーキーで抜き、α反転マットを掛けると抜いた部分だけを取り出せるので、それを重ねます。
(1)でかなり大雑把にマスクしているのは、ここでの重ね直しで潰してしまえるからです。
(5) もう少しこだわる場合は、着物下部分にセルフシャドウ(手などが自分の身体に作る影)を追加します。

(3)を色調補正して影っぽい色合いに変更し、(4)の座標を少しずらしたものをαマットすると、影部分っぽいものを作れます。
これを(3)と(4)の間に配置。
◇
これで見た目的にはひとます完成です。
袴がかなり横に膨らんでる関係で、袖と帯の間付近に不自然な空白が出来やすい(袴の陰になっている袖が消えてしまう)ので、どうしても気になるシーンではここを埋めるなどもやっていますがまあ一部のみですね。
襦袢姿の方もほぼ同様の手法。
上衣の彩度を極端に落として白くし、帯付近のデザインを変えたものです。
着替えシーンは、袖付近はピンクのまま襦袢が見えている部分だけ白くし、着物の前合わせ部分を重ねている感じ。
◇
あとは(3)のワープ系エフェクトにキーフレームを打って、キャラのモーションに追従させます。
この際注意点としては、キーフレームを「打ちすぎない」事が重要。打ちすぎると単純に作業量が膨らむのもありますが、それ以上に、不自然にガクガクした動きになりやすくなります。
タイムリマップなどでもよく使われる手法ですが、ステップなどで身体が上下左右に動ききって反転する前の「止まる一瞬」を狙ってキーフレを打ちます。キーフレにイージングを掛けるのを忘れずに。
中間点がどうしてもずれる場合は、間にもう一箇所くらい打つ程度で。
加えるなら、身体の動きと慣性を考慮して「なびく」感じを出す(裾に近い方ほど若干動きが遅れる)と、雰囲気が増します。
……と文章にすると簡単なんですが、まあ実際にはここがかなり面倒ですw
下半身が「ズレ」ないように調整の連続ですね(それでも立ち上がりシーンなどではまだ若干ズレが出てるのが分かります)。
◇
と、こんなところで。
次回は、次いで質問の多かった傘の処理について書きたいと思います。
2 件のコメント:
はじめまして。
以前からブログ読ませてもらってましたが、かけてる手間と発想が驚かされます。
基本技術がしっかりしていれば(少なくともAEユーザーには)全員気付くチャンスがあって、なおかつ考える時間や作業の手間も惜しまなければ上達は可能なんだろうなー。と思いました。
ツイッターでも傘で平面を大量に使ったって言ってましたし脱帽ですw
→ 游希さん
どちらかというと「気付いてる人は結構居るけど、面倒くさくてやろうとは思わない」系ではないかという気はしますw
「すごい技術」や「斬新な発想」というよりは、ちまちました作業を根性で何とかしてる、という感じかなー、と、自分では思っています。
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