2010年4月29日木曜日

カクテルDS

  

 ……さあみんな、反省部屋に行こうか……。
 

2010年4月10日土曜日

「紅の花」壁紙

 動画のコメ番2319さんのご要望があったので、クレジットカットのところを壁紙にしてみました。
   
 1280x960(4:3)です。
 ワイド画面の方は適当に上下ちょん切ってください。

 この手のデザイン系は苦手なので、非常にシンプルなのはご容赦w
 

2010年4月9日金曜日

「紅の花」説明(5):その他

 過去4回に渡って色々説明を書いてきましたが、個人的には「自分の動画には『謎の技術』はない」んじゃないかなあ、と。

 「謎の努力」(=マゾい作業)はあるかもですがw
 今回も、作成中は「和服はるるん可愛いよ和服はるるん」と言い続けてなければ、多分途中で心折れてましたねw

 ということで、ラストは手法的な部分を離れたところでの落穂拾いとか、言い訳とか諸々。


曲について

 曲は投稿コメントにあるように「ひなたぼっこ」というPCゲーム(エロゲ)のEDで使われた歌です。
 同ゲームのサントラ「たいよう」に収録のフルバージョンを、ゲームサイズにカットして使っています。メーカ潰れたのでもう入手難なんだよね、これ。いい曲なんだけど。

 Vo.は声優の楠鈴音さん。ニコ的には「恋姫†無双」の「はわわ軍師」が有名なのかなw
 かなり長いことファンやってまして、いつか彼女の歌う曲で作りたいなあ、とは思ってたのでした。

 ちなみに、この曲――に限らずTarte作品で歌ってるもの――はかなりマシ(機械補正入ってるかも)だけど、他だと彼女の歌は春香さんに負けないくらい結構ズコーな……いやなんでもない。

 元ゲームには和風テイストとかないんですが、この曲聞いたときの印象が私の中では完全に「舞う花の中和服で佇む女性」だったんですね。
 なので、今回和服春香さんを作ることに決めたところで曲はこれに決定。マイナー曲でもいいじゃない。

 ABメロとサビでがらっと変わる曲調や、やや意味深な感じの歌詞(フルで聞いてもシチュエーション把握し辛いです)と相まって、やわらかく幸せそうにも、もの哀しく切ない感じにも取れる不思議な感覚がとても好きだったりします。
 そこら辺が動画でも上手く出せてるといいな。


設定周りなど

 和服については、普段触れてない限りは構造が分かり辛いのに加え、色やデザインも用途に応じた決まりごとがあったり、しかもそれが時代によって違ったりとかなり複雑怪奇。
 しかも今回は合成で実現、という制限もあり、詳しい方から見るとかなり胡散臭い状態になってるとは思いますが、その辺りは目をつぶっていただければ、とw

 全体的に「古きよき日本」をイメージしたので、現代風のオブジェクトはなるべく廃しました。
 ガラスは比較的歴史も古いので導入。コーヒーはどうしようかかなり悩んだのですが、歌詞を敢えて外して湯のみ持たせるのも違和感あるし、明治時代終盤には茶館が出来る程度には普及してたようなので、アリということにしました。

 自分の中では大正~昭和初期くらいのイメージかな。
 あくまで「そういう時代を『イメージした』PV」という位置付けなので、時代考証まではしてないですけどw

 歌詞の意味付けは、上でも書いた通り色々と可能なので、感じた通りに受け取っていただければ、と。


その他

 作成期間は、最初に素材撮りしたのが3/7なので1ヶ月弱といったところ。
 動画時間換算で云えば、いつも通りか少し短いくらいでしょうか。

 一番気に入っているのは、Bメロ頭~傘ターンでのシーンチェンジまでの一連の流れ。
 この部分は、珍しく脳内妄想にかなり近い絵が出せたんじゃないかなー、と思っています。

 あと、 自分は「斜めアップのカットに移った後、目線をこちらに動かす」のが好きで多用するんですが(比翼いおりん以降ほぼ全部で使ってると思われる)、今回珍しく外しました。
 パターンで云えば傘ターンの後のアップで使う(実際素材も撮った)んですが、しっとりとした雰囲気の中ではちょっと「強すぎる」印象があったので。……ラストのクレジット絵では目線使っちゃったけどw

 最後に。
 「和風」「桜」「美しい春香さん」方面ということで、目指したのはやはりゆうゆうPのこれ。俺内でのこの方向性でのベストPV。
   
 少しでも近付けてる……といいなあ。



 以上で大体書ききったかな。
 長々とお付き合いありがとうございました。
 

2010年4月8日木曜日

「紅の花」説明(4):背景

 背景の構築の話など。
 今回も全てAE平面です。


(1)桜小道
 動画投稿時エントリでも書いた通り、ベースはアカバネPのイラストを参考にしています。
 AEであのイラストの雰囲気をそのまま作るのは難しかったので、かなり端折ってしまっていますがw

 同イラストにある橋の部分も作りたかったんですが、この背景全体的に開けてる関係で、AEで作るには重すぎた……。

 桜の木は今回、Vue7 PLE(無償の学習用バージョン)を使用しています。
 PLEだと右下にロゴマークが入りますが、木一本の出力結果ならマスクしてしまえば絵に引っ掛けずに使えます。
   
 その他のテクスチャはいつも通り「cgtextures.com」のものや、自作、あと写真素材を加工したものなどを併用。

(2)木造家屋
 特にベースはありません。
 Bメロの脳内イメージが先にあったので「縁側のある家」を作りたくて、写真を検索したり、自分の田舎の家を思い出したりしつつ構築。

 屋内の方は平面数を間引くために、平面状態で陰影を付けて1枚の板で済ませる、を多用しています。
 敷居・鴨居が典型かな。
   
 窓ガラスの反射・空や背景の映り込みは、窓ガラス部分だけのマスク映像を作り、後ではめ込み合成しています。
   
 春香さんが廊下に出るシーンでは奥のガラスに手前の障子が映りこんだりしてるんですが、多分気付く人はほぼいないw
   

(3)東屋
 サビの最後でのみ使用。
 これも特にモチーフはなく、「東屋」で画像検索したいくつかをベースにAEで作りやすいデザインで作成。

 ここもなるべく簡略化。
 背景奥の杭や生垣なんかも一見は立体ですが、実際には一枚絵にハイライト付けてあるだけの板だったりします。

(4)その他
 屋内の小物(灰皿、座布団、行灯など)も一枚絵。

 ぬこは写真をベースにトレス加工。
 こちらは完全に1枚絵だとパースが付いている関係でカメラが移動したときに破綻してしまうので、手前(身体~お尻の辺り)と奥(身体~頭の部分)を2つに分け、AE上で奥行きをずらして配置しています。
   
 マグカップ持ってる春香さんも同じ手法を使っています。
 こちらはマグカップ含む右手(袖部分含む)だけ別レイヤにして、少し奥に配置しています。


 次回は細かい部分を拾って最終回にしたいと思います。
 何か他に聞きたいところがあれば、twitterなりblogコメになり残しといて貰えればお答えできるかと。
 

2010年4月7日水曜日

「紅の花」説明(3):モーション合成

 今回は、モーション関連で合成を行ったところのまとめです。
 細かい変更している部分は画像入りで。


(1)Aメロ マグカップ
 身体部分は静止画(パペットで多少動き付けたけど見えないな……)+縁側の方を見るときの頭部はターンのスロー再生。

(2)Aメロ リボン結び後
 ベースは「まっすぐ」冒頭。衣装チェックしている感じにしたかったので、頭部をマスクして角度を変えて再合成。
   

(3)Aメロ 後ろ手で障子を閉めるシーン
 ベースは「隣に…」冒頭、後ろに歩いて振り返るシーン。左半身の再生を停止して手を固定、頭部は直後の振り返りシーンから合成してやや右を見ているような感じに変更。
   

(4)Bメロ ぬこアップ後の笑顔
 表情合成。ここは調整足らなかったので合成に気付いた人多いんじゃないかな。

(5)サビA ターン~胸元のアップ前まで
 LONGのシーン以外は右手は全て合成。ターン以外は手は静止画で、手首の返りなどがないのでここも気付きやすいかと。
 ターンの右手モーションをどこから持ってきたか、が一番難易度高いかなw

(6)サビA 傘閉じ
 ベースは「隣に…」冒頭、後ろ歩きから振り返った直後。左手側のみ再生速度遅め+最後少し逆再生、で手が胸元に来るように変更。
   

(7)サビB 座り~立ち上がり
 ベースは「太ジェラ」Aメロ前の間奏部分。手の位置を変更+頭部のみ逆再生を混ぜて一旦目をつぶる動作。
 「下半身は衣装(=画像)差し替えてる為ある程度自由に出来る」のを利用して、座りポーズに変更しています。
   
 変なとこから持ってきたので気付き辛いかな、と思ったけど、カズマさんとか気付いてらっしゃいましたねw


 見落としてなければ、「動き」自体を合成してるのは以上で全て。
 他は、衣装合成・再生速度変更・逆再生等はしていますが、モーション自体は元のままです。

 リボン除去は、パジャマの髪留めをカラーキー抜き+茶色平面配置。
 タイトル前のリボンが浮き上がるところや、リボン結びシーンのリボンの動きはパペットを使用。ぬこの耳や尻尾の動きもパペット。

 取敢えず最もお世話になったのは「メガアウトキー」かな。
 着物だとステップ大きく踏めない上、サビでは傘の持ち手も動かせないと制約が大きかっただけに、あのモーションはまさに神。


 次回は背景について書きましょうか。
 「いつも通りのAE背景」ですがw
 

2010年4月6日火曜日

「紅の花」説明(2):傘

 今回は傘の構造や動きについてです。


(1)構造
 傘自体は全てAE上の平面です。基本的に下の図の通り。
 AEで立方体のようなオブジェクトやステージを組んだことある人なら普通に組めるかと思います。
   
 かなり大きく写る使用法だったため、回転させた時やカメラ角が変わった際にも見た目が破綻しないことに重点を置いています。


(2)閉じ開き
 開き具合を角度入力すると、各面、及び内支え軸が連動して動くようにエクスプレッションで制御しています。
   
 閉じる際には、正確には各面が「Vの字」型に折れるのが正しいのですが、これをやると平面数が2倍に増えてしまいます。

 しかし、このまま閉じると各面同士が干渉してしまう(隣の三角形を突き破る)ので、折衷案として、各面に「ひねり」を加えることができるようになっています。
   
 陰影を気にしないなら、三角形の横幅のサイズを変えてしまうという手も悪くないかもしれません。


(3)回転と追従
 所謂「てこ」の支えとなる部分にアンカーを置くのがコツです。
 回転や開いたまま踊っているシーンでは柄の春香さんの肩口付近、閉じて下ろすシーンでは柄の持ち手付近にそれぞれアンカーを置いています。
   
 あとはアンカー位置を春香さんの肩や手の動きに追従するようにキーフレームを打てば、角度を色々変更してもほぼ破綻無く表示されます。


(4)持ち手の処理
 持ち手部分は「傘の角度を変更して春香さんの手に追従させている」場合と、「春香さんの手が傘の動きに追従している」場合があります。
 後者は手だけ別合成で、実際には「傘の柄に手が張り付いている」状態になっています。
   
 前者は、春香さんが能動的に手を動かす場合。
 例えば手を伸ばしたり、腕を折り曲げたり、といった場合です。

 後者は、傘自体が動くことで、添えている手が傘に引っ張られる場合。3Dグラフィックで云うIK(Inverse Kinematics)みたいなものを意識した場合です。
 例えばステップを踏むことで肩(てこの支え)が上下移動し、結果として傘の角度が変化し、添えている手もそれに合わせて動く、といった表現になります。
   
 傘の場合空気抵抗が大きく、また慣性の働きもあるので、後者の場合はその辺りを考えて「春香さんの動きからやや遅れて傘が動く」のを意識するといいかも知れません。

 所詮真似事ですが、意識しておけばそれっぽさが増す……かも?

 ……つーか、そこまで考えるならもう3Dソフト使えよ、って話ですよね、分かります。


 次回はモーション改変・合成辺りのお話を。
 

2010年4月5日月曜日

「紅の花」説明(1):和服合成

   

 正直、「和服万歳!」な俺の魂の親友な方くらいはイントロで掴めるかなー、程度に思っていたので、驚かれ具合に逆にちょっと戸惑っていますw

 そしてそこまで伸びるとは思ってなかったので、調整不足なところが残ってるのがうわああああ気になる……もう仕方ないけどさ……。

 ともあれ、見てくださった方、ありがとうございます。


 では予告通りまずは和服合成について。
 実際の作業を順を追って画像付きで記述します。長めですよ。
 

(1) まずハカマグラデュエーションの袴部分を抜きます。
   
 キーイングが得意な方はカラーキーなどを使うのが早いでしょうが、今回はAEのパスマスクを使用し大雑把にごっそり切っています。

 上衣部分も切れてますが、ここは後で重ねなおす(後述)ので今は気にしません。
 

(2) 帯より下の部分の画像を用意します。
   
 これが今回実際に使った画像。
 シェイプレイヤで四角を描いて、花柄を載せただけの単純なものです。

 説明用画像作った後で気付いたけど、これは画面に向かって左向きに立っている時用。
 向きによって帯止めや花柄の位置を変更したものを3種類ほど用意しています。
 

(3) (2)の画像を(1)に載せ、着物っぽく見えるように整形します。
   
 変形には主に「ベジェワープ」を、ちょっと複雑な変形が必要な場面では「メッシュワープ」を使っています。

 AE分からない人向けに簡単に云うと、「ベジェワープ」は画像の四隅の位置と接線を指定して画像を歪めるエフェクトです(「メッシュワープ」は四隅だけでなくもう少し細かく指定できる同様のエフェクトだと思ってください)。

 「パペット」等も変形にはよく使われますが、パペットによる変形は「うねり」が出やすいので、今回のような用途にはちょっと使い辛いかも。

 歪め方を変えて帯止めや花柄の位置を調整することで、身体の向きが変わる場合にもある程度追従できます。

 無理が出る場合は、(2)に書いたように身体の向き別に2~3パターン作っておいて使い分けるといいでしょう。
 

(4) 袖や手が(3)で重ねた画像の下に隠れてしまうので、この部分を重ねなおします。
   
 元のハカマ画像から肌色・ピンク系をカラーキーで抜き、α反転マットを掛けると抜いた部分だけを取り出せるので、それを重ねます。

 (1)でかなり大雑把にマスクしているのは、ここでの重ね直しで潰してしまえるからです。
 

(5) もう少しこだわる場合は、着物下部分にセルフシャドウ(手などが自分の身体に作る影)を追加します。
   
 (3)を色調補正して影っぽい色合いに変更し、(4)の座標を少しずらしたものをαマットすると、影部分っぽいものを作れます。

 これを(3)と(4)の間に配置。


 これで見た目的にはひとます完成です。
 袴がかなり横に膨らんでる関係で、袖と帯の間付近に不自然な空白が出来やすい(袴の陰になっている袖が消えてしまう)ので、どうしても気になるシーンではここを埋めるなどもやっていますがまあ一部のみですね。

 襦袢姿の方もほぼ同様の手法。
 上衣の彩度を極端に落として白くし、帯付近のデザインを変えたものです。

 着替えシーンは、袖付近はピンクのまま襦袢が見えている部分だけ白くし、着物の前合わせ部分を重ねている感じ。


 あとは(3)のワープ系エフェクトにキーフレームを打って、キャラのモーションに追従させます。
 この際注意点としては、キーフレームを「打ちすぎない」事が重要。打ちすぎると単純に作業量が膨らむのもありますが、それ以上に、不自然にガクガクした動きになりやすくなります。

 タイムリマップなどでもよく使われる手法ですが、ステップなどで身体が上下左右に動ききって反転する前の「止まる一瞬」を狙ってキーフレを打ちます。キーフレにイージングを掛けるのを忘れずに。
 中間点がどうしてもずれる場合は、間にもう一箇所くらい打つ程度で。

 加えるなら、身体の動きと慣性を考慮して「なびく」感じを出す(裾に近い方ほど若干動きが遅れる)と、雰囲気が増します。

 ……と文章にすると簡単なんですが、まあ実際にはここがかなり面倒ですw
 下半身が「ズレ」ないように調整の連続ですね(それでも立ち上がりシーンなどではまだ若干ズレが出てるのが分かります)。


 と、こんなところで。
 次回は、次いで質問の多かった傘の処理について書きたいと思います。
 

2010年4月3日土曜日

新作

 誕生祭間に合ったー。春香さんおめでとう。

   

 ……正確には「間に合わせた」なんですが。
 まだ調整したかったとこ結構残ってるんだけど、ちかたないね。

 去年の誕生祭動画が「青白色」「月明かり」「洋風」だったので、今年は対照的に「赤桃色」「お日様」「和風」にしてみました。
 和服(っぽい何か)は単に俺の趣味(キリッ


 動画全体のイメージは、ちょうど曲選定頃に冬目景のコミックを読み返して「やはり和服女性は素晴らしい…」モードに入ってるタイミングで、アカバネPのこのイラスト(リンク先pixiv)を見て「ここに和服の春香さんを立たせたい!」とか思ってしまったのが発端。
 イントロ及びサビで使ってる桜小道な背景は同イラストを参考に組み立てさせていただきました。この場を借りて感謝します。

 和服部分は、既にいくつか指摘いただいてる通り、ハカマグラデュエーションをベースに腰から下をAE上で合成しています。
 モーションも何箇所か合成していますが、こちらは手の位置を固定したり首の傾げ具合を弄ったり、といった細かいもののみで、基本いつも通りアイマスモーションを使わせていただいています。

 MMD使う方が、労力的にも同じ衣装使いたいって人のためにも正解なんだろうけど、アイマスモデルの可愛さと動きの滑らかさにはまだ届かないな、ということで。

 ま、実際には傘のシーンの方が大変だったんですがw
 AE上の平面数多い(それでも本来の唐傘よりは相当簡略化してあるんですが)ので、レンダの重さとメモリ不足地獄が……。

 絵面的には、現在主流のコントラスト高めのくっきりした画像(所謂「画質すげー」といわれる系統)とは正反対の、コントラスト低めな上にdiffusion強く掛けたぼんやりした絵にしてみました。
 この系統はビットレート的にもやや不利なんだけど、やさしい雰囲気出したかったので敢えて。


 技術部分に関しては……和服合成については一応次回書いておこうかな?
 単なるキーフレーム地獄系なんで、技術ってより根性になりますけどw